プロ意識を持って仕事に取り組むということ
料理職人の父親を持つ先輩から聞いた話。
料理職人にとって包丁とは「魂」というくらい大事な調理道具です。
ある日、先輩のお父さんは足の甲から血を流しながら帰宅されたそうです。
当然ご家族はそれを見てびっくりし、どうしたのか聞きます。
お父さんから返ってきた答えは、
「料理の最中に包丁を落としてしまい、咄嗟に自分の足の甲に刺すことで、包丁が地面に落ちるのを防いだ」
とのこと。
なんともお尻からゾッとするような話ですね。
包丁は一度地面に落してしまうと刃こぼれが生じてしまい、元の切れ味に戻すまで研ぐのに結構な時間を必要とするそうです。
また、他の人から包丁借りれば良いと考えるかもしれませんが、自分の魂である包丁はなるべく他人に触れさせたくないのです。
その気持ちは何となく共感できますね。
自分の足を犠牲にしてまで包丁を守るのが正しいかはわかりませんが、要はそれだけのプロ意識を持って仕事に取り組むのが職人なんだと思わされる話でした。
自分の仕事にあてはめて考えてみました。
例えば営業しているなかでも、たびたび提案資料の提出を求められることがあります。
そんなときはなるべくラクしたいので、誰かが作った資料をそのまま使いまわせないか考えるものです。
ただ、人から借りてきた営業トークや資料をそのまま使うのでは、その後の言葉にも力が入りません。
参考程度にするのは有りだと思いますが。
やはり自分で調べて考えながら作った提案資料などは強いですし、何より自分の気持ちが入るものです。
毎回イチから資料作成しろというわけではなく、しっかり自分でお客様のことを考えたうえで提案しているかどうかが大事だと思います。
営業マンはいろんなお客様に対してつい同じ提案をしがちですが、お客様のやりたいことや会社規模によって、提案すべきプランや必要なオプションは違ってくるはずだからです。
職人の包丁と比べるものではないかもしれませんが、はたして同じくらいのプロ意識を持って自分は仕事と向き合えているのか、考えさせられる話でした。